NTT株主総会で、株主から斬新な提案!!

NTT株主総会

本日 6月20日は、NTT(日本電信電話株式会社)の第38回定時株主総会
午前10時から11時半までグランドプリンスホテル新高輪にて開催された。

今春から株価が暴落していることもあり、
波乱が起きることが予想されていた NTTの株主総会である。

結果として、
剰余金の配当と島田社長ら10人の取締役選任の会社提案は可決。
※期末の配当は1株につき、金2円60銭

私自身、会場に駆けつけられなかったのだが、
レポートを読んで、気になったのは、株主からのNTT経営陣への質問
暴落している株価についての認識と、今後の改善案を求める質問が相次いだそうで、廣井孝史副社長が「株価が、株主の期待に応えられない水準であることは厳粛に受け止めています」と陳謝したそうだ。

今年4月17日に成立したNTT法改正について、やはり質問が出た。
廣井副社長は、”市場環境や技術動向に合わせた見直しが必要”な旨を語った。
5月18日の記事で書いたように、
・「研究成果の開示義務の廃止」も盛り込まれているが、これに関して、他の事業者との連携を強化することができたるようになる点で意義を示した。
・「固定電話等の全国一律サービス提供義務を一部緩和」する点について、NTTの足かせとなっていた点が緩和され、業績向上に繋がる要素だと思う。廣井副社長は、本日の株主総会で、AIやデータセンターなどの成長分野に積極的に投資し、既存事業を効率化させえ、業績を回復し株価上昇につなげる方針も語っている。これは期待できそうだ。IOWN(アイオン)構想を世界に広げていこうとする熱意も示された。
これらの発言からもわかるように、NTT側は、NTT法改正をプラスと見ている、と言っていいだろう。
・一方、「NTT株式の 1/3以上を政府が保有する規制を緩和」する点については、株主の中には「安全保障上の懸念」を示している方もいた。この方は、日本政府が防衛費捻出のために どんどん株を売っていくと、外資に国の通信を握られる可能性について心配しているようだ。これについて、廣井副社長は「政府が国益の観点から検討する課題ですが、我々としても国のインフラが守られるよう対策してほしい」と語ったそうだ。

そして、ファンドの代表をやっているという株主が登場し、「今、株価が下がっていますが、上げるための方法を考えてきました!」と切り出し、斬新な提案をした。この方の案は、一定数以上の株式を保有する株主には「ドコモの基本料金半額」などの還元を行うことで、NTT株を売られにくくするというもの。この案なら、”NTT株を売られにくくなる”と同時に、新たに”NTT株を買いたくなる人”もでるだろうし、”NTTドコモと契約する動機”にもなりそうだ。私自身、NTTの株主であるものの、auユーザーなので何とも言えないがw、NTTの光ファイバーは活用しており、この費用半額もプランに含めてほしいものだ。

この提案に対し、経営陣としては、意見に感謝しつつも、今の株価が下がっているのは、今出している見通しが弱いからであり、一時的な要因を除けば、着実に増収増益しており、業績が上がれば、株価も上がっていくという展望を述べた。結論として、ドコモ料金半額などは実施しない意向のようだw

NTTは昨年2023年7月1日付で1株を25株に分割した効果で、1単元株(100株)の最低投資金額が15,000円くらいになっており、個人投資家が買いやすい状態になっている。その影響もあり、個人株主は分割前よりも倍増している。今年3月時点で184万人にも増えているそうで、本日の株主総会への来場株主は1277人(昨年比2.5倍)、オンライン視聴は9246件(昨年比3倍)となった。斬新な意見が出るようになったのも、個人株主が増えている効果でもあるだろう。

この状況を見ながら、20年前のライブドアのことを思い出した。あの頃、ライブドアは株式分割を繰り返し、話題性もあり、個人株主をたくさん取り込んでいたなぁ。

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また、本日の株主総会で、”株主優待の拡充”を求める声もあれば、”優待をなしにして配当金に還元してほしい”という声もあった。これに対し、経営陣としては、”自社株買い”や”配当金としての還元”で、株主にメリットを感じていただきたい、という方向性のようだ。これには、私も賛成。

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NTT法改正で社名が変更できるようになる。これについて、株主から「現状の正式名称”日本電信電話株式会社”をやめて、略称のNTTを正式名称にしてみてはどうか」との案も出された。これに対し、経営陣としては、現状のままで行こうと思っていることを明かした。アイオンで世界に打って出ることを考えると、NTTというシンプルなものにするのも良さそうだが。

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さらに、”昨日、JALの株主総会に行った”という株主からは、”NTTの株主総会には品がある”というお褒めの言葉も出た。昨日のJALは荒れていたそうだ。。

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なお、
本日のNTT株価は、やや上昇し、
終値 146円。
前日比 +40銭!

NTT株価チャート

わずかずつではあるが、
一昨日、昨日に続き、
3日連続で上げている

株価は、いよいよ”底”を打ったのかな?と思いつつ、
信用買い残が多く(明日発表の最新データも気になるところ)、
政府の保有株売却不安もある中、
当面は低空飛行ではあるだろう。

「政府の保有株売却」といえば、
昨年のNTT株主総会で、株主から「NTT完全民営化」について質問された際、NTTは「政府が主体的に検討を進められると認識しておりますが、当社の株価に影響を与えることのないよう、当社としても適切に対応してまいります。」と回答していた。
「適切な対応」とは自社株買いなどだろうか。
いずれにしても、NTT側も対応の準備はしているようだし、今以上に極端な暴落はないかもしれない。

P.S.

今年も「NTT法のあり方について」の質問に対するNTTからの公式回答として、昨年と同様の見解が発表された。

 

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