The Rolling Stones「Bitch」とMott the Hoople「Rock and Roll Queen」の類似性をめぐって

The Rolling Stones「Bitch」とMott the Hoople「Rock and Roll Queen」の類似性をめぐって

最近、久々にMott the Hoople(モット・ザ・フープル)の楽曲「Rock and Roll Queen」を聴いて、あらためて「名曲だな」と実感しました。YouTubeでレコメンドされて登場した偶然に感謝!5年以上ぶりくらいで聴いたかも。
聴きながら思ったのは、この曲はThe Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)の名曲「Bitch」とも似てるなぁ、ということ。ストーンズは毎日のように聴いてるので、この楽曲は頻繁に聴いてます。まあ、両方好きな楽曲であり、私の好みを表現しているとも言えるでしょう。

ロック史の中で、アーティスト同士が互いに影響を与え合い、時に似通った楽曲を生み出すことは珍しくありません。The Rolling Stonesの1971年発表の楽曲「Bitch」と、Mott the Hoopleが1969年に発表した「Rock and Roll Queen」は、その好例としてしばしば比較対象に挙げられます。モット・ザ・フープル ボーカリストのイアン・ハンターは 1980年8月のインタビューで、この2曲が酷似しているとほのめかしたこともあります。
この記事では「この二曲がどのように似ているのか、またその背景にどのような音楽的文脈があるのか」を掘り下げてみます。

曲の基本情報

「Bitch」 / The Rolling Stones


発表:1971年『Sticky Fingers』収録
特徴:ホーンセクションを取り入れたソウルフルなロック。キース・リチャーズのリフとチャーリー・ワッツの強靭なビートに支えられたファンキーな一曲。

「Rock and Roll Queen」 / Mott the Hoople


発表:1969年『Mott the Hoople』デビューアルバム収録
特徴:イアン・ハンターのヴォーカルとミック・ラルフスのギターが織りなす、粗削りながらもエネルギッシュなロックンロール。ブリティッシュ・ロック黎明期の生々しさを感じさせる。

ちなみに、このアルバムはサブスクで出てこないので、貴重。

楽曲の類似点

1. ギターリフのアプローチ

両曲ともに、リフが曲全体の推進力を担っています。「Rock and Roll Queen」のオープニング・リフは、ローリング・ストーンズ的なルーズでブルージーな雰囲気を漂わせており、後の「Bitch」で聞ける鋭いリフと共鳴するものがあります。

2. グルーヴ感

チャーリー・ワッツの堅実でグルーヴィーなドラミングと、モットのバックビート志向のリズムは共通する感覚を持っています。どちらも「踊れるロックンロール」という側面を前面に押し出しており、ブルースからロックンロール、さらにファンクへの接点を示しています。

3. ルーツの共有

両者はともにアメリカン・ブルースやR&Bに強く根ざしたバンドであり、そのエッセンスが曲作りに投影されています。単なる模倣ではなく、同じ音楽的源流から引き出された結果、似たようなサウンド・テクスチャーが生まれたといえるでしょう。

楽曲の相違点

一方で、「Bitch」がホーンを前面に押し出し、ソウルやファンクの要素を加味した洗練された仕上がりであるのに対し、「Rock and Roll Queen」はよりストレートで荒削りなロックンロールです。つまり、ストーンズはR&Bの進化形を示し、モットは「ガレージ感のある初期ロック」を提示していると整理できます。

影響関係について

モット・ザ・フープルは、デビュー当初から「ストーンズに似ている」と評されることが多く、実際に彼らの音楽スタイルやステージ・パフォーマンスにはストーンズ的な色合いが見られます。「Rock and Roll Queen」と「Bitch」の類似性も、その系譜的な影響を裏付けるものであり、ストーンズのフォロワー的存在だったモットが自らのスタイルを模索する中で自然に生まれた共鳴現象といえるでしょう。

結論

「Bitch」と「Rock and Roll Queen」の類似性は、単なる偶然ではなく、1960年代末から1970年代初頭にかけてのブリティッシュ・ロックが共有していた音楽的文脈に根ざしています。両者の比較を通じて見えてくるのは、「ロックンロールのルーツをどのように現代化するか」という問いに対する、それぞれのバンドの回答であると言えるでしょう。

なお、
Mottの「By Tonight」という楽曲途中のギターフレーズが、The Rolling Stonesの「Start me up」のメインギターによく似てることにも気づきました。(ボーカルのイアン・ハンターが抜けた後、残ったメンバーがMottというバンド名になって新ボーカル ボーカルナイジェル・ベンジャミンを迎えて発表した楽曲)
まあ、ルーツの近いロックバンド同士、似たインスピレーションはあるのでしょう。私としては好きなフレーズなので、2倍楽しめそうです。