先日、愛用している音楽ストリーミングサービスアプリを見ていたら、BUCK-TICKの新曲「雷神 風神 – レゾナンス」が表示されていた。昨年 10月19日にボーカル・櫻井敦司さんが亡くなって以降、心のどこかで気になっていた彼ら。遂に始動し始めたのかと思うと嬉しくなった。私にとって地元の先輩でもあり、昔からずっと聞いてきたバンド。今井さんの実家「今井商店」にもよく行ったものだ。
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新曲は、つい先日11月20日に発売されていたばかりだった。
早速、視聴。さらに、MVも見てみた。
感想を下記にまとめてみたい。
星野英彦のメインボーカル
櫻井敦司さんが亡くなって悲観にくれていた頃、私は一瞬「BUCK-TICKが終わってしまうのか」と思ったものである。ところが、直後(10月24日)に今井寿さんが自身のInstagramにて「続けるからね♪大丈夫」と投稿していたのを見て、「良かった、続けれくれるのか」と。
そこで、私が思ったのは「ボーカルはどうするんだろう?」ということだった。櫻井敦司さんの声がBUCK-TICKに占める割合はあまりに多い。トレードマーク的なものだったので、彼亡き後、どうするのか、と。
ただ、今井さんが個人活動でよく歌っていたので、私は「今井さんボーカルでいくのかな」と思っていた。
そして、聞いたみた新曲「雷神 風神 – レゾナンス」。
案の定、今井さんらしい声で始まった。正直、私は1回通しで聞いてみた時、「今井さんが最初から最後まで全部歌っているのかな」と思った。ただ、繰り返し聞いていくと、途中から違う声質のボーカルも入っている。「あ、星野さんだ」。
そう、私は当初、今井寿さんが全部歌っているのかと思って聞いていたが、途中からメインは星野英彦さんが歌っている。「なるほど、その手もあったか」と思った。
今後は、メインボーカルを星野さんが担うのだそう。
今井さんはほとんどの楽曲を作っているので、歌も全部歌ってしまうと、彼のワンマンバンドっぽく見えてしまうが、星野さんがメインで歌うことにより、バランスが上手くとれるような気がする。
今井さんは他に類を見ない天才。彼が輝くのは、メインの誰かがいて、その脇にいる時にこそだと思うので、「星野さんメインボーカル路線」という戦略は素晴らしいと思う。
NATIONAL MEDIA BOYSに似たファン鼓舞
新曲「雷神 風神 – レゾナンス」は勢いのある気持ちいい楽曲だ。
曲全体を通して、聞いている人を励まし、鼓舞する感じが伝わってきて、実に嬉しい気持ちになる。
聞きながら、「この感覚は、以前にも感じたことがあるな」と思って、あれこれ思い出してみて、気づいた。
「NATIONAL MEDIA BOYS」である。
この楽曲は、1990年に発売されたBUCK-TICKのアルバム「惡の華」の1曲目なのだが、その時の状況が今と似ているのだ。
というのも、このアルバム発売の前年、今井さんが捕まり、我々ファンは「BUCK-TICKはもう解散してしまうのか」と悲観にくれていたのである。そんな中発売されたのが、このアルバム。しかも、1曲目がノリノリの「NATIONAL MEDIA BOYS」。歌詞も「夢は終わらない」という言葉もあり、「続けてくれるんんだ」と安心したのを覚えている。
そう、夢はまだ終わらなかった。
そして、今回もBUCK-TICKが続いてくれることを実感させてくれる素晴らしい楽曲が届いた。
まもなく12月4日にリリースされるアルバム「スブロサ SUBROSA」も楽しみだ。
雷神風神は地元の「上毛かるた」の影響 !?
タイトルの「雷神風神」を見た時、一瞬「風神雷神ではないのか?」と思った。
一般的には「風神雷神」と表記されることが多いからだ。
しかし、
「”雷”が最初にきた方がインパクトがあって、BUCK-TICKらしくていいかも。我々の地元・群馬には雷が多いし…」と私は思った。そこまで考えて思い出したのが、群馬県出身者なら誰しもが通るカルタ「上毛かるた」。群馬の子供は、学校の授業とか行事でほとんどの子がやると思う。この「上毛かるた」に「雷と空風 義理人情(らいとからっかぜ ぎりにんじょう)」という札がある。この順番が「雷」「風」なのであるw
↑私の渋谷の自宅にも常備しているので、久々に引っ張り出してみたw
群馬出身の今井さんも、きっと子供の頃にやったであろう「上毛かるた」。その影響は。新曲のタイトルにも現れているのかもしれない。
この札にあるように、群馬は夏は雷が多く、冬は強いからっ風が吹きつける。このような厳しい風土の中で育まれる「義理人情」。群馬県人は昔から「義理人情にあつい」と言われてきた。群馬出身のBUCK-TICK。クールに見える彼らだが、その根幹にあるのは「義理人情」であるようにも感じられる。櫻井さんは亡くなってしまったが、それまでずっと5人で継続してきた。しかも、櫻井さんが亡くなった直後も、ベースの樋口豊さんが「ずっと5人で続けているから」と涙ながらに語ったのも印象的だ。
彼らは、まだまだ続けれくれる。しかも、勢いを増しながら。そう実感した。
▼12月4日リリース ニューアルバム『スブロサ SUBROSA』
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