金利上昇は、NTTにとってリスクあり… 株価への影響はどうだろう

NTT ONAIR

NTT有価証券報告書が6月21日に提出されたので、
早速、読んでみた。

私が注目したのは、
前記事でも書いた為替変動と密接な関係がある金利

現在は、米国の金利が上がっていると同時に日本の低金利が続いているので、円安の進行が加速している。
一方、今後は、米国が金利を下げ、日本が金利を上げていくこことが想定されるので、
早ければ、年内には円安が一段落し、円高へとシフトする可能性も高い。

日本の金利が上がり始めた時
NTTの経営に、そして、株価にどのような影響が出るだろうか?

NTTの事業には、膨大な設備が必要で、
設備を持つには、資金調達も必要。

金利が上がれば、資金調達コストの増大が想定される。

NTTの中期経営計画では、5年間で、8兆円もの投資を成長分野へ行っていく方針が発表されており、資金需要はさらに増えるだろうから、なおさらである。

NTTの最新の有価証券報告書によると、

NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。


と書かれている。
経営陣も、このリスクに関して、想定しているようだ。

資金調達コストの高騰は、収益の低下に繋がるリスクがあり、
株価低迷の要因にもなるのではないだろうか?

一方、
このリスクへの対策もしっかりしているようで、

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。


とのこと。

なお、
NTTが保有する金融資産の株価下落にともなうリスクもある。

最新の有価証券報告書で、NTTは、

また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性がある


と書いており、
このリスクも想定しているようだ。

また、
注目度の高い、政府のNTT保有株売却についても、有価証券報告書書かれている。

「政府が当社株式を売却する可能性も想定されますが、自由民主党 政務調査会が2023年12月5日に出した提言において「仮に株式を売却する場合には、市場に与える影響を勘案した手法を選択すべき」とされており、当社としても市場に影響を与えないような対応を求めていきます。」


とのことである。

やはり、策を練っているようではある。

また、
日米の金利変動に伴う、為替変動のNTTへの影響も気になるところ。

今後、アイオンをはじめとして、グローバルなビジネス展開を予定していることもあり、今まで以上に為替は密接なテーマとなるだろう。

海外からの資源調達コストの観点で考えれば、
円安から円高へシフトした方が有利になる。
一方、
日本のサービスを海外展開して稼ぐには、
円高シフトは不利になるかもしれない。

一長一短あり、
今後の動向を見極めていきたい。

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