NTT株主総会で出された「株主からの質問」に対するNTTの見解

NTTロゴと 桜丘の階段。shibuya sakura stage

6月20日に開催されたNTTの株主総会にて、
株主から出された質問に対する、NTTからの公式見解が発表となった。

そこで、
あらためて、気になるポイントについてまとめておきたい。

NTT法のあり方について

今年4月17日に成立したNTT法改正
世間で賛否両論が飛び交っているテーマでもあり、
株価暴落の一つの要因ともなったと思われるテーマ。

やはり、これに関しての質問が出た。

【NTTの見解】
NTT法の見直しにおいては、当社株式の政府保有義務についても議論が行われております。本件については、政府が国益の観点から検討する課題と認識していますが、当社としても、国のインフラがしっかりと守られるような対策を申し入れています。また、仮に政府が当社株式を売却する場合には、当社の株価への影響が無いような対応を、引き続き求めてまいります。


これは、昨年と全く同様の見解である。

多くの株主の懸念事項は「政府が保有株を売却することによって、NTTの株が暴落するのでは?」ということだろう。
しかし、NTT経営陣としては「当社の株価への影響が無いような対応を、引き続き求めてまいります。」と語っているように、対策はしっかり考えているようだ。

ちなみに、その対策とはどのようなことだろう?

私は、6月15日の記事でも書いたように、政府売却分をNTTが買い取るカタチは良いのではないか、と考えている。
今までも自社株買いを積極的におこなってきているし、政府の保有株・約4兆円分も、段階的にであれば、買える範囲ではないだろうか?

また、6月8日の記事で書いたように、現在も大株主のトヨタ自動車が買い取るカタチも良いのではないだろうか?とも考えていたのだが、トヨタの不祥事で、これには暗雲も立ち込めている。

今後もアツい注目が注がれるテーマだ。

会社名の見直しの考え方について

NTT法改正により、社名が変更できるようになる。
これについても株主から質問が出され、「現状の正式名称”日本電信電話株式会社”をやめて、略称のNTTを正式名称にしてみてはどうか」との案も出された。

【NTTの見解】
今般のNTT法改正に伴い、会社名の変更も可能となっています。具体的な検討は未定ではありますが、当社の取り組むべき事業の方向性やグローバルでの事業展開などを踏まえ、当社のブランドに寄与する名称を検討してまいります。


アイオン等でグローバル展開することも考えると、現在の略称である「NTT」というシンプルなものにするが良さそうだが、果たして…

ミュージシャンの世界でも、YELLOW MAGIC ORCHESTRAが「YMO」と略して、グローバルで活躍したことも思い出される。

株価について

今年の春から暴落しているNTTの株価。
やはり、この問題に関しても、質問が出された。

【NTTの見解】
現在の株価が株主の皆さまの期待に応えられない水準であることについては、厳粛に受け止めております。2024年度の業績予想が対前年減益となっていることが大きな要因の一つと考えていますが、実態として、一時的な資産売却を除いた事業動向は堅調に推移しております。今後、中期経営戦略で掲げたとおり、成長分野への積極的な投資拡大、既存事業分野の効率化等により、グループの業績を向上させ株価上昇につなげてまいります。


株価暴落の一つの要因ともなっている、NTT法改正の成立。
しかし、私は、NTTにとってマイナスなことばかりではなく、むしろ、プラスの側面の方が多いと思う。
今回の株主総会でのNTT経営陣からのお話でも、同様に考えているようだ。

「研究成果の開示義務の廃止」がなされれば、他の事業者との連携を強化することができたるようになる点で意義を示したし、「固定電話等の全国一律サービス提供義務を一部緩和」について、NTTの足かせとなっていた点が緩和され、収益率改善に繋がるだろう。
廣井副社長のお話にもあったように、既存事業を効率化させ、AIやデータセンターなどの成長分野に積極的に投資していくようなので、見守っていきたい。

ここ最近、久々に上昇しつつあるNTT株価。
4日連続上昇していることもあり、”底打ちか!?”の声も囁かれはじめた。株主の懸念を払拭し、業績回復・株価工場に繋がっていくか、注目していきたい。

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